日本の厳しい気候をキャンピングカーで一年中、しかも24時間いつでも過ごせるようにするには一般住宅と同じように暑さや寒さへの対策が必要になります。
一つは夏の暑さを遮断したり、冬場の冷えを防ぐといった断熱工事。
もう一つは今回施工するサブバッテリーシステムの設置です。
こちらも住宅と同様、真夏・真冬に必要なクーラーや暖房機器を動かすための電力の確保のためです。
サブバッテリーシステムを車に施工する手順や技術的な情報はYouTube動画やWeb上にたくさんありますのでそちらを参考にしていただければと思います。
私も配線の準備をする際は、まずはメーカーの取説を基本に、それだけでは不安ですので実際に組み立てを行っている様子をYouTube動画で再確認しながら計画していきました。
ここで注意しなければならないのはYouTube動画やWebの情報には時折誤った施工があることです。
電気工事に関する知識がない場合は、第二種電気工事士(電工二種)資格を取得したり、Facebookなどのグループでアドバイスをもらうことで正しく安全な施工が行えると思います。
こちらでは個人的に工夫したことや面白く感じたことを中心に書いていきたいと思います。もし何かヒントにしてもらえることがあれば嬉しいです。

私はこちら、トヨタのクイックデリバリーという車をキャンピングカーにしようとしています。
この車にはボンネットにメインバッテリー(走行用バッテリー)が置かれただけのトランクスペースがありますので、こちらにサブバッテリー(エンジン停止時に室内で使う電気用のバッテリー)とAC-DC充電器(家庭やキャンプ場のコンセントから電気を充電する機器)を設置します。

変わって車内には、運転席足下に走行充電器(エンジンの力でサブバッテリーに充電する機器)とインバーター(車内で電化製品を使用するために直流電気を交流電気に変える機器)を配置します。どの機器も雨に濡らしてはいけませんが、その中でも雨に濡らせない上記の機器を車内に置くことにしました。これらは車内でインジケーター(作動状況)を確認する必要もありますので、すぐに目に入るところに設置するのが良いと思います。
サブバッテリーシステムを自分で設置すると、このような形で車内・車外のデッドスペースを有効活用出来るのが利点です。
使用した機器は以下の通りです。
・レノジー / 12V 50A DCC 走行充電器
・レノジー / 12V 300Ah Coreシリーズ Mini リン酸鉄リチウムイオンバッテリー
・レノジー / 12V 20A AC-DC リン酸鉄リチウムイオンバッテリー専用充電器
・LiTime / 12V 2000W 正弦波インバーター
今回、これが私にとって初めてのサブバッテリーシステムの施工でしたので、メーカーはユーザーによる動画やブログが豊富なレノジーで揃えました。インバーターのみLiTimeを選択したのはレノジーの2000Wインバーターよりもコンパクトだったからです。
バッテリーの容量とインバーターの出力に悩まれる方が多いかもしれません。
バッテリーの容量に関して、私の場合はサブバッテリー本体を置く場所はボンネットの中と決めていましたので、ここに入る最大限の容量(今回は300ah)を選択しました。
インバーターに関しては電子レンジとウィンドウエアコンが動く2000wとしました。
電気の使い方は千差万別で私も旅を続ける中でノマド生活に必要な電気量を確認したいです。
サブバッテリーシステムに不具合が起きた時や、電力を全て消費した場合に備えて1070whのポータブル電源を車内に置いています。



トランクを清掃し、車のボディ色で塗装しました。みすぼらしかった内部が綺麗になりとても嬉しいです。ボンネットフードを留める金具も綺麗にしてグリスを塗りました。
もともとトランク内の床面は強度を保つために凸凹になっています。ここはメインバッテリーとサブバッテリーの荷重を分散させるために集成材を敷いて平らにしました。いずれにせよ床板はバッテリーを固定するために必要です。



この床板ですが、トランクの採寸後に段ボールを切って、干渉するところが無いか確認しながらカットしました。
サブバッテリーの位置決めも段ボールでダミーバッテリーを作り、ボンネットを閉めた時に機器との干渉が無いかを確認しています。サブバッテリーは重量が25kgありますので、実物を何度も上げ下ろしするのを避けたい思いもありました。



車内に引き込むケーブルのための穴を2カ所追加で開けました。穴を開けた後はヤスリでバリを取り、タッチアップペンで塗装してサビ予防をしています。その後ゴムブッシングを取り付けました。



トランク内はバッテリーだけではなく、スイッチ類やヒューズを置く必要があります。
それらはバッテリーの上に台を乗せて置くことにしました。風通しが良くなるよう脚を付けましたので安全上の問題無いと思います。
こちらの台ですが、そのままでもDIY感の無造作な感じがあって良いのですが、
オイルステインで着色するとビンテージ感が出てパーツが映えるように思います。
湿気にも多少強くなるかと思いました。
オイルステインは手軽にビンテージ感が出るので良く使います。
品名はカンペハピオ ワトコオイル 色はドリフトウッドです。
写真の作業机も同じくワトコオイルで着色していますが、こちらの色はエボニーです。



車内の機器を設置します。板材に難燃性マットを貼り、その上に走行充電器を置きました。
インバーター、走行充電器ともに排熱の効率を上げるために脚を付けています。
車内とトランクに各機器を設置しましたので、それらをケーブルで繋いでいきます。

上記のように配線していきます。
基本的にレノジーの取説に従ってケーブルの太さとヒューズを選びました。
長期の不使用時は走行充電器やインバーターの通電を完全に切りたいのでキルスイッチを設置しました。
キルスイッチの位置が +線、−線というふうに統一されていませんが、これは配線時の接続手順に合わせた形です。
ケーブルと機器を「+線から繋ぐように」と指示されていたら−側にキルスイッチを付けています。
インバーターのケーブルは60SQを選択しました。インバーターに付属していたケーブルは太さが容量以下ではないか?という疑問と、仮に許容範囲でも並列ケーブル(+−ともに各2本に分かれている)だったので使用しませんでした。



私は元々電気工事に関しては無知なため、キャンピングカー制作のためと思い今回第二種電気工事士(電工二種)を取得しました。
配線作業は素人が見よう見まねで出来るものでは無いように思います。
私も資格を取ったからといって素人ですが、禁止されていることを学ぶので安全な施工が出来たと思います。
左)60SQのケーブルと裸端子の接続に必要な油圧式圧着工具を購入しました。
中)このようなケーブルを曲げた時の許容される半径にも規定があります。
右)ケーブルと裸端子圧着部分です。

配線が終わりました。本当はもっと美しくカッコいい配線にしたかったです。次回は眺めても楽しいものにしたいです。カーオーディオファンの手がける配線などは素晴らしいですよね。

室内の配線も終わりました。インジケーター類は居室に計器パネルを作って埋め込もうと思います。
この図の右側からエアコンの風が吹き、インバーターが吸い込みます。
左の走行充電器付近にエアコンの吸気口があるので熱が籠もる心配はありません。
一般的にサブバッテリーへの充電は、走行時のエンジンと停車時の家庭用コンセント、そしてソーラーパネルが一般的です。今回はソーラーパネルは施工していませんが今後挑戦してみたいと思います。
エンジンとコンセントからの充電があれば良いと言われる方もいらっしゃいますが、災害時に機能させたいと思うので是非設置したいです。また、ルーフレールにソーラーパネルを取り付けるとその範囲は日陰になりますので車体の温度を下げる効果も期待しています。
以上、サブバッテリーシステムの設置でした。最後まで読んで頂きありがとうございました。
※補足
・第二種電気工事士(電工二種)資格試験
試験は1年に2回行われます。筆記試験に合格すれば技能試験が受けられるシステムで、
技能試験は2回不合格した場合、再度筆記試験から受ける必要があります。
勉強自体は知識問題は覚えるだけですが、電気の流れ方?やその計算などはやはりとっつきにくかったです。
ただ配線図を書くのはパズルを解くみたいで楽しく、技能試験用に実際にケーブルやパーツを使って配線する訓練も楽しいものでした。
・キャンピングカーの電気配線の資格
住宅の配線などの電気工事は第二種電気工事士(電工二種)の資格が必要ですが、キャンピングカー内の作業は無資格で行っても法律違反ではありません。
個人的な意見ですが、電気を車内に引き込んだ時点でコンセントには100vの電圧が届くなど、一般住宅と全く同じ環境になりますので、やはり電工二種程度、もしくはそれ以上の知識は必要だと思います。
私の場合は電気に関する知識も配線の技術も皆無でしたので電工二種を取得しました。
電気に関係したキャンピングカーの火災は実際に起きていますので、ここは資格を取得し、絶対安全に取り組みたいと思いました。
