気軽に釣りを楽しめるニュージーランドの桟橋。それぞれ特色があって楽しいです。これはティノパイの桟橋を訪れた時のお話です。
桟橋で釣る魚は…
昨日ダーガビルのNZMCAキャンプ場で一泊して、朝からここティノパイの桟橋にやってきました。
普段、グーグルマップを拡げては桟橋を探しています。
そこにリンクされている画像に釣りをしている様子があると、目当ての魚が釣れるかも知れない…などと思い、今回のような下見となりました。
桟橋は陸(おか)っぱり(陸から釣りをする人)にとっては、岸から海に向かって数百メートル陸が延長された状態になりますので、大変有り難い設備です。
そこからさらに遠投することが出来るので、鯛はもちろん、場所によってはキングフィッシュ(平政)も狙えます。
ただ、私のターゲットはそんな中型〜大型の魚ではなく、この桟橋の真下にいる小型魚の代表、アジです。日本では海釣り公園や漁港周りでアジのサビキ釣りが出来ると思うのですが、ニュージーランドにはそんな場所がほとんどないので、そうした意味でもやはり桟橋は貴重な存在なのです。
ティノパイに着きました。しかし駐車スペースに残念な標識が。
キャンパーバン駐車禁止…。
まぁ、キャンパーがダメであれば乗用車で来ればよいだけの話ですが、家から距離がある場所なのでキャンパーで訪れてのんびりと釣りをしたかったです。
ただ、乗用車で来ても数キロ先にシティセンターがあり、用をたすときはここの公衆トイレが利用出来るので安心です。
さて、駐車することは出来ませんので家族にキャンパーを切り返ししてもらっている合間に駆け足で桟橋を見てくることにしました。
駆け足でと言いましたが、文字通り桟橋を駆けると滑ります。歩いて行きましたが桟橋が苔生していて、何度も足を取られました。お子さん連れには注意が必要です。
桟橋は沖に向かってそれほど長くは張り出してはいませんでした。
ただ、先端はT字型に広がっていて、多くの釣り人を迎え入れるキャパシティはありそうです。
竿を固定する金具が付けられていたり、ウロコを落とした跡などから、普段の様子がうかがい知れます。
広い湾が見渡せて気持ちいいです。あらためて潮が良さそうな日に来たいと思います。
この日は潮がひいていて、浜では数人の方が岩ガキを取っていました。
ローカルとの関係
さて、帰ろうとした時、ボートを牽いていたローカルのおじさんに挨拶すると、とても不機嫌な様子で
「ここはキャンパーバンを駐めたらダメだからね。よろしく!」
と注意されました。
「わかりました。すぐ動かします。ごめんなさい。」
と私。
うーんやっぱりキャンパーは嫌われてるかな…。
こうした大きなキャンパーの存在はボートの出し入れに邪魔になるのかもしれません。またよそ者に対する警戒感を持ってしまう気持ちもわかります。
地方の釣り場ではローカルの圧力を感じることがあります。
桟橋という狭い設備の特徴から縄張り意識を露わにする人もいる。
ただ、悪い人は少ないように思います。
以前住んでいた近所の桟橋で釣りを始めた時も、引っ越した当初は嫌悪感を露わにされていましたが、通い詰めているうちに沢山のローカルの友達が出来ました。
ここでは先ほどのように岩ガキを取られていましたので、地域の食の面からも大切な場所とも思えます。
ゴミを残すことはもちろん、駐車違反など地元へのリスペクトが無い行為には厳しい目が向けられて当然ですね。
今回は数分の滞在でこの場を後にしました。
去り際、おじさんに再度挨拶をすると軽く手を上げてくれました。
今回はこれで帰路に着くことにしました。
車を出して点在する住宅を抜けていきます。行きは気づきませんでしたが、家の郵便受けらしきものが何か変です。
電子レンジだ…。
ウケた。電子レンジを郵便受けにしている。
暫く走るとまた郵便受けが電子レンジ。
少し走ると、また!
合計3件のお宅が電子レンジを郵便受けにしている。
「なんで?!」
「流行ってんの?!」
「ホットなメールが入ってるってこと?!」
などと妻とゲラゲラ笑いながらティノパイを後にしました。
ティノパイがちょっと好きになりました。
なんというか…この土地は凄く期待してもいいかもしれない。
そして帰路の一つ目の大きな町、マウンガトゥロト(Maungaturoto)まで来ると…
「ちょっとー、何があったんですかー?!」
——— ニュージーランドには新しい文化も刺激も無い。
という人もいるけれど、
ここにはヘンテコで愛すべき人たちが暮らしていることは間違いないようです。
そして昨日今日と、短いけれど良い旅でした。
桟橋をめぐる旅はこれからも引き続きポストしてまいります。