先日、ようやく日本から妻のミニが届きました。
それだけ言うと
『数ヶ月待ってやっと届いたよー』
みたいですが、この車が届くまでに5年間の歳月を要しました。
米作りをした神山町の棚田
これは徳島で乗っていた妻の愛車ローバー・ミニなのですが、5年前ニュージーランドへ移住した時に一緒に連れてこようとすると、
『製造から8年が経過した車は輸入を認めることが出来ません』
と、NOを突きつけられたのです。
ニュージーランドは日本の中古車が沢山走っているのですが、製造年、排ガス規制、横滑り防止装置の有無など輸入条件はちゃんとあり、どんな車でも簡単に輸入されるわけでは無いのです。到着してからもサビが無いかなど点検されます。
普段はモノに執着しないタイプの妻ですが、このミニだけは強い愛着があり手元から離れる可能性に相当ショックを受けたようです。
そこで別の車両輸入を手伝ってくれたニュージーランドの車両輸出入会社、GTSのYさんに相談すると、
『登録から20年経った車はクラッシック枠として特別に輸入を認められる』
ということを調べてもらえ、我が家のミニも輸入可能と教えてくれました。
これはアメリカの車両輸入25年ルールと同様のものだと思うのですが、ニュージーランドのクラッシックカー枠は製造後20年で、現代の基準では走行状態に不備があるとされる車両であっても持ってくることが出来るようです。
この25年ルール(NZは20年ルール)についてもっと知りたいのですが、ちょっとググるくらいでは明確な理由が出てこないですね。
輸出入が解禁される理由が、法律上の抜け穴的なもの(例えば25年経つと車では無く機械や部品の扱いになる的なもの?)なのか、世界遺産的な価値を認めて(多分違うと思う)なのか。
3年も日本に放置できない。
妻のミニは最終のMk Xというモデルで、製造(登録)は1999年の9月。暫く日本の借家で保管していたのですが、いよいよその借家も明け渡さなければならず、その時点で輸出可能な20年経過まであと3年もあります。

誰か大切に乗ってくれる人に譲ることも考えました。
手入れをしないと劣化が進む車を、住んでも居ない国に放置することは出来ません。
そこで徳島で暮らしていたときに整備をお願いしていた、ミニのスペシャリストの片岡さんに売買等の相談を含めお話をさせていただくと最終的に片岡屋さんで保管をしていただくことになったのです。
片岡屋ガレージ
普通あり得ないと思います。保管だけではなく、定期走行もしていただくことになりました。また、日本へ帰ったときは滞在中の足としても使わせてもらい、その時に気づいたところを直してもらうなどもしていただきました。ここまで愛車の世話をしていただける人にはもう一生会えないと思います。

いよいよ製造から20年を迎えた今年の9月、輸出入の手続きを行うことにしました。
翌10月には日本から船に乗ってニュージーランド・オークランドへミニがやってきました。
ただ、前述した通り、輸入後に検査があったのでその後手元に届くまで更に2ヶ月かかりました。フロントガラスに書き込まれた文字、シール類から推察するに、沢山の業者を経てここにたどり着いたのではないでしょうか。

妻は『自分に欠けていたピースがやっと揃ったような気持ち』とも言っています。本当にモノに執着しないので、ここまで言うのは余程ですね。
彼女は移住後、ビザの手続きや仕事、様々な苦労がありました。
年をまたがずに望んでいたものを手に入れてくれて私も嬉しいです。